街路樹診断という言葉をご存知ですか?
台風の多い日本では街路樹が倒れ重大事故を引き起こす例が後を絶ちません。
(過去の被害について)
樹木が倒れてみると根が浅かったり、内部が腐朽していたりと、それぞれに原因が見つかります。
さらにその原因としては、街路樹が狭い植栽帯での生育を余儀なくされ、土木工事で根が傷つけられたりなど、
樹木自体が弱っていることがあげられます。一見、元気そうに見える街路樹も倒木の危険信号を出しているかもしれません。
樹木が倒れてしまう前に、樹木からの危険信号を見分けて適切な処置を施すことを街路樹診断といいます。
簡単に言うと、樹木の健康診断です。人間の健康診断をお医者さんがやるように、樹木の健康診断は樹木医が行います。
樹木からの危険信号を的確に見分けるには、かなり高度で熟練した診断技術と専用の器具が必要になってきます。
街路樹診断の方法
街路樹診断の方法としては目視などによって外観に現れた被害を見る『外観診断』と、 機器を使用して樹幹内部の腐朽状況調べる『精密診断』の2つに大別されます。
外観診断
- 1 目視
樹木を観察し、枯れた枝はないか、葉の色は健全か、腐朽している部分はないかなど、樹木を外か見て異常がないかを調べます。また高い樹の場合は梯子などを使い上部の状態も見ます。 また、樹木の生育環境の観察も大切で、植樹枡の大きさや付近の構造物の場所なども書きとめておき樹木診断の手がかりとします。
左のようなカルテを作成し、樹木の健康状態を管理します。
- 2 小槌診断
木槌で樹木をたたき、その音の変化で樹皮の状況や内部に空洞がないかを調べます。
- 3 鋼棒
根元に鋼棒を刺し、感触や音によって根が腐朽していないかなどを調べます。
精密診断
外観診断の結果を受け、内部に異常があると判断された樹木は、より正確にどれくらい腐朽や空洞があるのかを調べます。
そこで用いるものが『レジストグラフ』です。
直径3 mmのキリを樹幹に刺し、キリにかかる抵抗力の大小によって、空洞や腐朽の大きさや位置を把握できます。

値が高いほど、キリにかかる抵抗が高いことを示し、細やかなピークは年輪を表します。
上図の黒い部分は、他の部分に比べ値が低く、ピークは平坦なため、この部分に、腐朽や空洞などの異常があると予想されます。
このデータを、樹木の四方向または八方向から取り、樹木の腐朽率を予測します。
レジストグラフによる施工例
- レジストグラフによる測定
レジストグラフによる測定の結果、根株心材腐朽が進展が見られ、倒木の危険があった為、伐採することになったケヤキ
- 内部腐朽の進展状況
ケヤキをたてに切断し、内部腐朽の進展範囲を確認。
- 腐朽部位の確認
レジストグラフに現れた異常部の位置と実際の腐朽部の位置が合致。
- データの収集
レジストグラフのデータを4方向からとり、どのように腐朽が広がっているかを予測します。
このように、外観診断と精密診断を受け、樹木の健全度を出し、樹木が倒木する危険性がないかを調べます。
処置が必要な樹木に対しては、伐採・更新、外科的処置、内科的処置、環境改善などの処置が施されます。




